子供の頃に「敷居は踏んでいけませんよ」と親やおばあちゃんとかによく言われたのではないでしょうか。
でも、その理由は知っていますか?
多くの人がその理由をちゃんと知らないと思います。
「敷居を踏まない」ということにはちゃんとした理由があります。
そもそも敷居って知ってる?
「そんなもん知ってるはアホ」という方は飛ばして次へどうぞ。
試しに妹に聞いてみたら、
へ?それってなに
という反応でした。
まじか妹よ、、、それぐらいは知っていてくれ(笑)
「敷居が高い」という言葉を知っている人はいるかもしれませんが、「敷居」そのものを若い人は知らないのかもしれません。そういう人のために簡単に説明しておきます。
「敷居」とは、障子や襖(ふすま)をはめるためにある、水やフレームが付いている部分のことを言います。
これのことです。
誰しも一度は見たことがあると思います。この部分を「敷居」といいます。
そこで、ここからがこの記事の本題です。
「昔からこの敷居を踏むことは良くない」とされてきました。その理由についてですが、多くの人が知りません。私は祖母から教えられていたのですが、ここでまとめておこうと思います。
家や家人の象徴として重んじる
まず、一番大きな理由としてこれが挙げられるのではないでしょうか。「敷居をまたぐ」「敷居が高い」というように、敷居はその家の象徴なので、それを踏むということは家や家人を踏みつけることと同じ事ととらえられます。
また、畳の縁はその家の格式を表しており、畳の縁に家紋を入れることも多く、それを踏むことはご先祖様や家人の顔を踏むことになり、大変失礼なことなのです。
そこに、動物の柄がある場合は生き物を踏みつけることにも通じます。この模様は、現在でほとんど見られなくなりましたが、一部大昔からある家などでは未だあるところがあるようです。
身を守るための戒め
これは、現在ではほとんど伝えられていないと思います。かなり昔の話になりますが忍の対策としてされていました。
忍びの者が座の下に忍びこみ、畳の縁や敷居の隙間から漏れる光で相手の所在を確かめ、タイミングを見はからって刃を刺すこともありました。
こうして命を落とすことは武士として大変恥ずべきことだったため、それを避けるための戒めが、和室のマナーになりました。
空間様式を崩さない
敷居には世間と家、部屋と廊下などを隔てる結界(境界のこと)の役目があり、畳の縁にはお客様と主人を区別する結界の意味があります。こうした結界を踏むことは空間様式を崩すことになるため、踏んではいけないのです。
家を大切にする
敷居を踏むと磨り減ってしまいますし、家の建てつけが歪むこともあります。畳の縁も踏めば傷んでしまいますね(高級品ほどデリケートな素材です)。そこで、その家を大切にする気持ちの表れとして、敷居や畳の縁を踏まないようにするのです。
他には単純に転ばないためにと言うものがあります。